この度、クルマを乗り換えることに決めたので、愛車のアウトランダーPHEV(GG3W)を売却することになりました。クルマを手放すときに、「最も高くクルマを売るにはどうすればよいか?」というのは、誰しもが悩むところだと思います。過去さまざまな形でクルマを売却した経験から、最もお手軽かつ高値でクルマの売却を行うには、「買取業者に一括査定で競り合わせる」のが鉄板だと考えています。今回もこの手法を取りアウトランダーPHEVを売却したので、そのレポートを行います。
今回売却した愛車について
最初に愛車紹介を。私のアウトランダーPHEVは2019年12月初年度登録のGグレードで、走行距離は1.5万キロ強。カラーも白の次に人気のある黒で、外装もコーティング済みで大きな傷はなし。ディーラーの長期保証継続中で、車検も2024年12月まで1年半以上も残っているという、(自分で言うのもなんですが)非常に程度の良いクルマでした。オートオークションに流さなくても、店頭で即販売可能なバリものですね。
こんなクルマとはいえ、同年式・同程度の走行距離のアウトランダーPHEVのオートオークションの相場は、2023年5月時点で約220~240万円程度。コロナ禍での中古車バブルがすっかりはじけてしまい、1月以降、オークション相場が急落し続けており、クルマを手放すには非常に悪いタイミングといえました。
いろいろなサービスの検討
私は普段、クルマを売却するときに、一括査定サービスを利用しています。一括査定サービス経由で問い合わせのあった複数の業者を一斉に集めて、競り合わせて高値を引きだす、というのがいつもの戦法です。業者の数が多ければ多いほど、競り合いが激しくなり、高値が付きやすいという単純な仕組みです。もちろん、今回も複数社に競り合ってもらおうと思っており、一括査定サービスは外せないところです。
とはいえ、あらためてクルマの売却について調べると、さまざまなサービスが登場していることにも気づきました。とはいえ新しいサービスは、どれも一長一短。下に今回検討したサービスについて、寸評を載せておきます。
■Mota
入札上位3社のみが連絡してくるというMota。「一括査定はやめとけ、電話鳴りやまねーぞ」というココリコのCMで近年、急速に認知を高めているサービスです。一見、一括査定よりもお手軽に見えますが、入札上位3社に対しても現車の査定が必要なことを考えると、売却までに日数がかかるという大きな欠点があります。結局のところMotaに登録する業者はどれも一括査定登録企業ばかりで、一括査定以上に高値を期待できることもなさそうなので、売り手にとってのメリットは、電話ラッシュがないことのみだと思います。私のように、電話ラッシュ大歓迎で、多くの買取業者に競り合ってもらいたい者にとっては、Motaは魅力的なサービスではなかったので使えませんでした。
「行こう」を創造する。MOTA(モータ)
https://autoc-one.jp/
■楽天Car車買取
楽天が主催するカーオークションに、素人がクルマを出品できるというサービスです。注意点は、1台のクルマについてオークションに出品できるのは1回切り。1度でうまくいかなければ2度とチャンスがないようです。
なお、売買契約成約時の手数料は2万2000円ですが、オンライン査定だと半額の1万1000円になります。オンライン査定を使ってみましたが、指定の画角でクルマの写真を20枚以上撮影しアップロードしなければいけないという非常に面倒な作業を強いられます。しかも、オークションに参加している業者の数が、オートオークションとは比較にならないほど少ないため、思うように競り合わないというデメリットがあるようでした。オークションの開催も火・金の週2回のみで、落札された後もクルマの確認作業を経ての入金ということで、売却までに日数がかかる点はMotaと同様に大きな欠点のため、利用しませんでした。
楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)
https://sell.car.rakuten.co.jp/
一括査定レビュー
ということで、上記2サービスは使えそうで使えないというのが正直な感想で、結局、いつも通り、一括査定で呼び寄せた業者+個別に声をかけた業者を同じ時刻に同じ場所に集めて、「最も提示金額が高い企業に売ります」という約束で、一斉に査定してもらいました。
業者を競り合わせる方法ですが、「オークション」形式と「入札」形式の2種類が一般的だと思います。それぞれ一長一短あるのでしょうが、私はいつも入札方式を指定しています。すでにお客さんが付いていて何としてもそのクルマが欲しい、という業者が2社以上いる場合はオークション形式が高値が付きやすいと思いますが、そんな条件はなかなかないものです。であるならば、疑心暗鬼の下で出せる最大限の数字を出すであろう入札方式のほうが、たいていの場合は高値が付きやすいのではないかと私は考えています。
現に、入札方式で行う旨伝えると、決まってオークション形式にしたいという業者が現れます。基本的に高く売りたい売り手と、安く買いたい買い手で利害は相反するので、業者が希望する内容は売り手にとって不利であると考えるのが自然なので、入札方式のほうが売り手の私にとっては有利なんだろうと理解しています。まあ、一瞬で勝負が決まるという爽快感が捨てがたいというのもあるのですが(^^;)
査定スタートから45分後、業者のみなさんには名刺の裏に金額を書いてもらいました。いよいよ運命の瞬間です。
結果は、265万2000円を付けたネクステージがトップ、2位は262万円でした。端数の「2000円」「2万円」という数字から、少しでも他社を上回りたいという意思が感じられます。1位2位で3万円以上差がついた今回は、オークション形式だったらおそらく263万円で決まっていたのではないかと思われる結果でした。ちなみにぶっちぎりの最下位は、228万円のビッグモーター。お客さんのタイヤをパンクさせて保険金を詐取していた疑惑で世間を賑わしていたタイミングだったため、弱気だったのでしょうか。驚くほどの安値でした。
落札したネクステージの営業さんは、なんと今回が初めての買取だったそうです。さわやかな若手の営業マンという感じで、今後はバンバン売っていくんだろうなぁと感じました。
こんなわけでオークション相場よりも約30万円ほど高くクルマを売却することができました。絶対的に相場は悪い中ではまずまず満足できる結果になりました。
一括査定の電話ラッシュへの対応は面倒なものですが、お仕事と割り切って淡々とこなせば、良い結果を生むことも多いので、愛車を1円でも高く売りたいという方は、業者を一斉に集めて査定させることにぜひ、チャレンジしてみてください。