コロナ禍でハマったキャンプですが、やはりテントの設営と(特に)撤収の作業が悩みの種です。デイキャンプでは、設営と撤収で実質的なキャンプ時間が大きく削られてしまい、あわただしくて……。そんな悩みを解消できるツールとして、車中泊ならぬ車上泊が可能な「ルーフトップテント」が流行し始めています。ルーフにベースキャリアがあれば設営可能なルーフテントは、わずか数分でテントの設営と撤収が可能で、初心者キャンパーだけでなくママさんキャンパーにも重宝されるとのこと。長かったスノーボードシーズンが終わりベースキャリアがあるタイミングで、ルーフトップテントを搭載してみました。
ルーフテントとは?
ルーフトップテントにはさまざまな種類があります。一番シンプルなのは「テント型」。一般的なテントを屋根に載せたような形状で、本格的な雰囲気が◎です。ただし、このタイプはカバーが雨天対応ではないため、屋根のない車庫の場合には困りそうです。
これに対して雨風にも強いのはハードカバーを使う「シェル型」。ただし、シェル型はテント内のスペースが小さいのが欠点です。
テント型、シェル型の欠点を補ったのが「タワー型」。欠点は、カッコいいとはいえないデザインです(あくまで個人的見解です)
タワー型と迷いましたが、テントを開いたときのカッコよさを優先して、シェル型を選択しました。購入したのはKaitouのテント。楽天市場やYahoo!ショッピングも同じものが販売されています。価格はいずれのモールでも約14万円。楽天やYahoo!の多くの店では数千円の送料が必要でしたが、Amazonは無料でした。
開封&チェック
自宅にテントが到着。置き場所に困るくらいのサイズの段ボールで届きました。仕方なく外壁に立てかけておいていたところ、雨に降られてしまい、ずぶぬれに……。幸い、その後2日間晴れたので、最終的に段ボール箱は波打ったもののの、乾きました。
段ボールを開封して、ルーフテントとご対面。光沢のあるブラックで、本体にも保護フィルムが貼り付けられており、傷はなさそうです。
ロックに鍵が付いていましたが……ロックの金具がひん曲がっていました。使用不能なレベルではないので、この程度の傷やへこみは問題ありません。
ロックを解除してシェルを持ち上げるとダンパーのおかげでするすると開きました。
地面に広げるとデカい。長辺方向は2メートルを超えています。商品のイメージ写真では運転席(右側)に入口が来るはずが、左側開きだったようです。
テント本体には説明書の類はなし。なお、交換用のスペアテント生地には説明書が入っていましたが、こちらは交換方法で、設営方法ではありませんでした。
といっても設置方法は極めてシンプル。ベースキャリアにテント本体を乗せて、鉄板で挟み込んで固定するだけ。キャリアを傷つけないようにラバーも付属していました。
テント本体は60キロ強あり、一人で載せるのはフォークリフトでもない限り無理で、最低でも二人での作業が必須です。クルマを傷つけたくなかったので、私は3人で設置しました(必死だったため、写真を撮る余裕はまったくありませんでした・笑)
テントを広げてみた
アウトランダーPHEVに搭載。
ベースキャリアは2本ですが、どこか心もとない感じ。やはり3本目がいるのかも……
ルーフ後方にあるシャークフィンアンテナに干渉はしませんが、バランスを考えてやや前方に搭載しています。このルーフテントはルーフボックスよりも薄型で、空気抵抗も小さそうです。
ロックを解除。なお、ぶら下がる金具は天井にあたることはありません。
前後の紐を取り外せばシェルを開けられます。
シェルは少し持ち上げると左右2本のダンパーのおかげで、自然に持ち上がります。
ただし、梯子が付いている底面を手前に広げるためのもち手がないため、ルーフに載せた状態ではテントを広げることができません。
そこで、役に立つのがドアステップ。ドアロック用のリングにひっかけて足場を作れる優れものです。
Amazonにはいろいろな種類のドアステップが売っていますが、1体で4役という以下の製品を購入してみました。
レバーを引き上げてドアステップとして使う場合。
車内に閉じ込められたときに、窓ガラスを割るためのハンマー。金属突起でガラスをたたき割ることができます。
切れ込みには、シートベルトをカットするためのナイフを内蔵。さらに、裏面の長いレバーを引き出すと……
タイヤ止めにもなるという優れものです。
携帯用の巾着もあるので、グローブボックスに置いておくと、なにかと便利ですね。
では、ドアステップを試します。ドアを開けて出てくる金属のリングに……
下からフックをひっかけて……
完成。これを考えた人は、本当に賢い。
片足でひょいっと立つと、ルーフに簡単にアクセスできます。
ドアステップに上りつつ、底面パネルの側面をゆっくり持ち上げて、ついにテントを広げることに成功しました。かなり苦労しましたが、慣れると5分くらいで広げられそうです。
下からのぞくと大量の汚れが(笑)まあ、キャンプ用品なので気にしません。
底面パネルは金属製(ジュラルミン?)
シェルに張り付いていた付属のマットを底面パネルに載せれば……
ルーフテントの完成。超簡単です。中はかなり広く、大人3人、子どもなら4人くらいは入りそう。とはいえ、ベースキャリア2本ではせいぜい大人2人くらいが安全でしょうか?
テントには「Hill Stone」というブランドロゴ。なお、このテント生地はPU2000の防水性能があるそうです。
伸縮自在の梯子は最長2メートルまで伸ばせます。
後ろから見ると結構カッコいいと思います。タワー型よりずっとしゃれています。
ハードシェルなので、全天候対応なのも安心です。
サイドにはすだれ状に下げられるメッシュのカバーがあり、虫の侵入を防げます。
撤収作業
テントをたたむには、まずは梯子を最短状態にします。
あとは、エイやと底面パネルを持ち上げて倒すだけ。
シェルに挟まないようにサイドの生地を内側に入れつつ、長いロープを出しておきます。
あとはロープを引っ張れば、シェルが閉まり撤収作業完了。5分とかからずテントの撤収ができるなんて、スバラシイ!おそらく、ルーフテントは車上の解放感以上に、この撤収のラクチンさが最大の魅力かも。
今回購入したシェル型のルーフトップテントは、想像以上に簡単にテントの設営と撤収ができることが確認できました。GWのキャンプでデビュー予定ですが、非常に楽しみになってきました。
値が張るルーフトップテントですが、お手軽さで使う頻度が上がることを思えば、意外とお得なのかもしれません。