【更新】デニムマニアが岡山の国産ジーンズ「KAKEYA JEANS」を購入、育ち具合を旧ドゥニームと比較してみた

岡山県は国産デニム生地の一大産地で、非常に質の高いジーンズを生産していることで知られています。私は主にリーバイス501を中心としたヴィンテージジーンズをこよなく愛するデニムマニアですが、これまで岡山の国産ジーンズに手を伸ばしたことがありませんでした。この度かねてより気になっていた「KAKEYA JEANS(カケヤジーンズ)」を手に入れたので、デニムマニアとしての厳しい目(?)で岡山ブランドのジーンズをレビューしてみます。

Kakeya Jeans 掛谷ジーンズ -made in japan (okayama)- – ホーム | Facebook
https://ja-jp.facebook.com/kakeya.jeans/

高校生のころからリーバイス501シリーズを中心にヴィンテージジーンズを集め始めてかれこれ数十年。501XXからBIG E、66、赤耳までほとんどの世代の501を収集してきましたが、バイクで事故をした時にお気に入りだったヴィンテージのXXを破いてしまって以来、ヴィンテージモノを履く機会はめっきり減りました。デッドストックのヴィンテージジーンズを何本も持っているのですが、まったく履いていません……(痩せて、いつか、履く予定)

ヴィンテージリーバイスの代わりに履き始めたレプリカも、ドゥニーム、ウエアハウス、フルカウント、ダルチザンと有名どころを履いてきましたが、これまで岡山ブランドのジーンズは履いたことがありませんでした(気にはなっていたのですが)

そんな折、年末に行われた楽天スーパーセールで岡山ジーンズの「KAKEYA JEANS」が大幅割引になっていたので、物は試しとポチってみました。1月末到着予定でしたが、予定が早まり1月上旬に届きました(ヤッター)。到着したKAKEYA JEANSは、けっこう頑丈な段ボール箱に入っていました。

開封

薄いビニル袋の中に入れられていて、なかなか高級感がありますね。

黒い布に「KAKEYA JEANS」の文字。こだわりが感じられます。

今回は、細身のストレート「2nd model」を購入してみました。

ウォッチポケット(コインポケット)は片方のみリベット打ちされています。ポケットのカーブがゆるやかなので、内側の端が見えない形状なのは、リーバイスよりはLeeっぽいですね。

2nd modelはボタンフライではなくジッパーをチョイス。

トップボタンは無地の黒色のドーナツタイプ

2nd modelのステッチはすべて黄色で統一されていました。

脇割タイプ。セルビッジ(耳)じゃないのはちょっと残念です。脇割でもアタリはつきますが、セルビッジほど強くはつかないもの。また、脇割は閉じてしまいがちなので、洗うたびにしっかりと広げてなじませるなど、育てるのに注意が必要なのも難点です。

無地の革パッチ。どんな感じであめ色に変化していくのか、楽しみです。

バックポケットは縦長のホームベース形状。ステッチなしかと思いきや、よく見ると横一直線に黒色のラインが入っていました。

上部は隠しリベットではなく斜め一本のバータック

裏はシングルステッチ

なお、内側はすべてチェーンステッチでした。

リベットは金色でややふくらみがあります。

もちろん綿100%

MADE IN JAPANが誇らしげです。

のりづけされたリジッド状態で股下は90cmですが、洗うと軽く1サイズは縮みます。

さっそくのりをおとすために、お風呂へ。ゴールドラッシュ時代にカウボーイたちは、リーバイスの新品デニムを履いたまま川に入って、自分の体にフィットさせていました。そうすることで自分だけの1本になるわけですね。現代に生きる私は新品ジーンズをはいたまま湯船に30分ほど浸かって、体になじませました。

湯船でのりを落とした後、洗剤なしですすぎ2回に脱水をかけ、陰干しして乾かしたら、履く前に裾上げ作業。四ツ橋にあるリペアショップpatinaさんに持ち込みました。

なぜ、洗ってから裾上げするのかというと、初めてのジーンズでどれくらい縮むのか予想がつかないからです。リジッドのデニムは1回目に大きく縮んだ後も、その後も洗うたびに微妙に縮んでいきます。今回、1回洗った状態で90cm→85cmに縮んでいました。

patinaに持ち込んだのは裾上げ専用のミシン「ユニオンスペシャル43200G」を使っているから。縫い方向に斜めに運針する43200Gで裾上げすると、デニム地が縮んでいくにつれてロープのような斜めのあたり(パッカリング)がつきます。

patinaでは綿糸以外にもポリエスエルの糸も使っているそうです。これまでレプリカジーンズの裾上げではいつも綿糸を使っていましたが、今回はポリエステル糸を使ってもらいました。現代のジーンズなので、現代的な合成繊維を使ってもいいのかなと。綿糸に比べて切れにくいとのことなので、どんなものか試してみます。

元はシングルステッチでしたが、チェーンステッチで縫ってもらいました。セルビッジ(脇割)側で留めてと伝え損ねたので、内側で留められてしまいました……。

初めてKAKEYA JEANSを買ってみましたが、14オンスのデニム生地らしくしっかりしています。力織機で織ったゴワツキなど、これからの縦落ち具合も期待できそう。今回購入した2nd modelは、太もも回りがかなりタイトで、現代的なシルエット。リーバイスのヴィンテージ501とは一味違ったスタイルが楽しめそうです。これからガシガシ履きこんでみて、どんな感じになるのか追記する予定です。

~追記~
約7カ月経ったので、KAKEYA JEANSの色落ちを再レビューします。履いた頻度は、週に4日と結構な履き込み具合だと思います。なお、洗濯は1か月半に1回ぐらいで、裏返し状態で洗剤なしの水洗い(たまに手洗い)。乾燥機は一切、かけていません。

まず、「縦落ち」具合は◎。濃淡にかなりメリハリがあり、ヴィンテージ感が良く伝わってきます。「ひげ」もよく出ています。

実際に足を通してみると、縦落ち具合がよりよくわかります。

手元に1本だけ残っていた20年物のドゥニーム・66モデル(左)と比較しても、濃淡のある縦落ちはKAKEYA JEANS(右)の方が強めに出ます。残念なのは、私が購入したKAKEYA JEANS・2nd modelはセルビッジではないので耳のあたりがほとんどつかないところ。ドゥニーム(左)では色落ちが始まりかけな状態でも、すでに耳のあたりが確認できるのとは対照的です。

なお、KAKEYA JEANS・2nd modelの革パッチは縮まないようです。ちょっと残念。ステッチ間のあたりはかなり強めに出るようで、14オンスの生地らしいゴワツキです。

裾もいい感じにねじれてきています。

KAKEYA JEANSは、結構いい感じで育っています。私はセルビッジのあたりがバリバリついているジーンズが好きなので、その点は物足りないですが、「縦落ち」「ひげ」を重視する人にはお勧めですね。1点不満なのは、お尻のポケットの横幅が狭くて、愛用している財布が入らないことくらいで(涙)、しっかりした作りのジーンズだと思います。

今回、比較のためにタンスから引っ張り出したドゥニーム・66モデルは、まだまだこれから育てがいのある状態でした。KAKEYA JEANSに比べるとゆったり履きやすいデザインなので、これを機にドゥニームも20年ぶりに再び履いていこうと思います(今のドゥニーム、倒産騒動ですっかり質感が変わっているらしいですね……知らなかった)。KAKEYAとドゥニームを交互に履いて、いつか再び比較しようと思います。

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