アウトランダーPHEVの発売10周年を記念したオーナーズイベント「PHEVオーナーズミーティング」が2023年2月25日(土)に開催されました。抽選で100組限定の狭き門でしたが、運よく参加できたのでイベント当日の様子をたっぷりと紹介します。
PHEVオーナーズミーティングへ応募したこともすっかり忘れていた2月10日に、「当選」メールが届きました。
会場はPHEVを製造する三菱自動車岡崎製作所。「岡崎製作所生産工場見学」「テストコース試乗体験」「デザイン開発設備見学」「オートギャラリー見学」などのコンテンツが用意されているそうです。楽しみ~♪
会場に到着
9:40に岡崎製作所に到着。余裕を見ていたはずが、渋滞にはまったので、この時刻になってしまいました。
なぜかテスラ・モデルYが入っていきましたが、受付はこちらで合っていそうです。
名前を伝えると、入場パスなど一式をもらえました。
PHEVオーナーズミーティングは、入場のために抗原検査必須となっていました。15分ほどで結果がでるので、車内で待機しておかなければいけません。
私が応募したコンテンツは「岡崎製作所 生産工場見学」。以前、映像で岡崎製作所のPHEV製造の様子を見たことがありますが、やはり自動車のラインを実際に見学してみたいので楽しみです。
抗原検査の結果を待つ間に、イベントエリアMAPをチェック。「フードパーク」がある模様。
「陰性」が確認できたので車外へ出ます。PHEVは車種ごとに配置されたようです。GN0Wや……
GG2W&GG3W
エクリプスクロス。こうやってPHEVがずらりと並んだ様子は壮観ですね。
私もGG2W/GG3Wの末席に並べました。
なお、この100台以上が停められる駐車場には、すべて200Vの普通充電器が装備されていました。さすがBEVやPHEVを作っている三菱自動車の製造現場ですね。
入口に向かいます。開始時刻の10時目前なので、すでに入場している参加者があふれています。
入口では抗原検査の結果を確認していました。なお、一度退場すると再入場は不可。かなり厳格なコロナ対応となっていました。
会場の様子
入場すると巨大な太陽光パネルのブース「M-tech Labo」が目に飛び込んできます。これはスマートグリッド実証実験用に作られた装置で、再生可能エネルギーや夜間電力を蓄電池に充電することで、工場やオフィスの電力需要がピークを迎える時間帯に供給し、電力需要の平準化を実現することを目的とされたものです。
インフォメーション。こちらではアンケートの提出や、お土産の配布が行われます。
この日は晴天にめぐまれたものの、強風のため体感温度は低め。会場に用意されたこたつテントは終始、人が暖をとっていました。
電源はアウトランダーPHEVです。
フードトラックも数台あり、食事には不自由しませんでした。
会場には、さまざまなPHEV車両が展示されていました。もちろん三菱なのでラリー要素強めです。
パイクスピーク・ヒルクライムに参戦した「MiEV Evolution III(ミーヴ・エボリューション・スリー)」。2014年のレースでは、電気自動車改造クラスで1-2フィニッシュを達成しています。
増岡弘氏のマシンが展示されていました。
2013年アジアクロスカントリーラリーに出場したアウトランダーPHEV(GG2W)
ラリー大会に参戦した実車の傷跡がそこかしこに残っていました。
現行アウトランダーPHEVやエクリプスクロスPHEVのラリーアート実車も展示されていました。
ダイナミックシールドのメッキ部分も赤色で塗装され、ノーマル車とは一味ちがうインパクトのあるデザインでした。
このエクリプスクロスPHEVは、三菱自動車の有志で参戦するラリーカー
プライベーターですが、スポンサー企業からもパーツ提供を受けているそうです。
足回りはGG2W用のHKS車高調くらいで、ロールケージなどを除けば基本的にはノーマルとのこと。
揚村悠さんと笠井開生さん。
昨年からラリーに参戦しているこのエクリプスクロスPHEVですが、すでに数々の大会で上位の成績を収めているそうです。
ラリー歴はこのクルマからと語っていた揚村さんは、自分の通勤車だったエクリプスクロスPHEVを改造してラリーに参戦しているとのこと。足回りなど以外は基本的にノーマルなので、エクリプスクロスPHEVの基本的な走行性能の高さがうかがえます。
岡崎製作所 生産工場見学
10:50から、生産工場を見学させてもらいました。もちろん工場の製造現場は秘密の宝庫なので、工場見学に参加する人はスマートフォンのカメラに目隠しシールを貼り封筒に入れる必要がありました。ということで、ここからは写真なし。基本的に記憶をたどって見学の様子をしたためています。
守衛さんがいるゲートをくぐってバスに乗って5分ほどでラインに到着。途中、1階・2階がカフェテリア(食堂)になった新しい建物を通りましたが、もちろん従業員以外は立ち入り不可とのこと。建物前にはラリーカーが何台もならんでおり華やかでした。ちなみに、岡崎工場はナゴヤドーム21個分らしいので、敷地内の移動は自動車が必要なくらい広いです。
見学したラインは混流生産で、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEV、デリカD:5の3車種が混ぜこぜで生産されていました。PHEVとディーゼルを一挙に流しながら製造するので、ロボットよりも人間が大活躍するラインとなっていました。PHEVの重いバッテリーは無人のゴルフカートが移動させています。地面に埋め込まれたラインをたどることで、自動運転を実現しているようです。
工場内は通路からラインを見下ろして見学するスタイル。入口すぐにあった4500kgのプレス機でドアなどのパーツが製造される様子は圧巻でした。ラインを流れるクルマは、アウトランダーPHEVが7割、デリカD:5が2割、エクリプスクロスが1割というような感じ。アウトランダーPHEVはほとんどがホワイトカラーで、レッドカラーはエクリプスPHEVが多いようでした。デリカは白・黒が半々という感じ。
スポット溶接をするロボットは72台あるそうで、巨大なアームがモノコックフレームを軽々持ち上げるさまは見ていて非常に楽しめます。1分に1台以上のクルマが生み出される裏にはこのようなロボットを活用した高度な生産体制があるのだと感心させられました。
前述の通り、ライン内で働く人たちは高度に訓練されており、無駄な動きはありません。無駄な動きがあれば、ラインはすぐに止まると思えるくらい、次々とクルマがやってきます。ちなみに、各パーツを取り付けるためにドアは最後まで取り付けられません。スタッフは異なる色の帽子をかぶっており、役割分担がはっきりしているようでした。ときおりサザエさんのメロディーが流れるので何かと聞くと、ラインの状況に応じたメロディーを流すことで、どこでなにが起こっているのかを知らせているそうです。
岡崎工場では1日に約100台が製造されるそうですが、そのほとんどが海外に輸出するクルマが占めています。東南アジアでの三菱車の人気はもの凄いものがありますが、最近では北米市場でもかなりの売上があるそうです。国内モデルがなかなか納車されないのは、円安を背景に輸出モデルが絶好調という事情があるようです。なお、半導体不足は解消しており、最近はほぼフル生産体制に戻っているそうです。
残念ながら塗装の工程は見学できませんでしたが、大人も存分に楽しめる工場見学となっていました。
トークイベント
会場にはステージが設けられ、PHEV開発者などの貴重な話を聞けるトークライブが開催されていました。
アウトランダーPHEVオーナーのテリー伊藤さんも登場。なんとデリカD:5だけでも4台乗り継ぎ、三菱車歴は20台オーバーとのこと。「ランドローバー・イヴォークのようなオープンモデルのアウトランダーPHEVが欲しい」と開発責任者に無茶ぶりしていました。愛車のアウトランダーPHEVを終始ベタ褒めしていたテリーさんでしたが、評価は100点満点中85点とのこと。さらにユーザーの声を聴いて改善を続けてほしいと話しており、開発陣はこの15点は伸びしろだと受け止めていました。実際にオーナーであるテリー伊藤さんの話は含蓄があり、最高のトークライブになりました。こういったイベントでは、とってつけたような有名人をアサインすることが多いものですが、やはり愛がある人の話は面白く、トークライブには多くの人が集まっていました。
サインやちびっ子との写真撮影にも気さくに応じていたテリーさん
SNSで「#PHEVオーナーズミーティング」をつけて投稿するとアウトランダーPHEVのトミカがもらえました。
最後に、「オーナーズPHEVいいね!コンテスト」に私が1票を入れたPHEVを紹介。まず1台目はキティちゃん仕様のGG2W。可愛いキティちゃんと無骨なバンパープロテクターとのギャップ萌えです。袖ヶ浦ナンバーだったので、なおさらPHEV愛を感じました。
そして、もう1台が私のGG3Wの目の前に駐車していたキャンピングトレーラー仕様のGG2W。私が投票した2台はくしくも初代アウトランダーPHEV(GG2W)。やはり初代オーナーの方がアウトランダーPHEV愛は強めなのかもしれません。
コンテストの投票を済ませると、お土産ももらえました。中身はスポーツグラス、特製キーホルダー、ステッカーと豪華でした。
いろいろなPHEVを見ることができ、また、技術者の貴重な話(アウトランダーPHEVのリアが2モーター4WDになるのは確実!?)を聴けるなど、大満足のイベントになりました。唯一、残念だったのがコロナ対応のため退場後の再入場が一切不可で駐車場との行き来ができなかったこと。タープやテーブルなどを持ち込んだのですが、使うことはありませんでした。キャンプギアを持ち込んだものの、使うことなく帰宅したオーナーは多かったのではないでしょうか。せっかくのオーナーズミーティングなので、もっとオーナー同士のふれあいがあるイベントだったらよかったのにと残念でした。次のPHEVオーナーズミーティングは、アフターコロナのイベントになっていることを大いに期待します(また、参加できたらいいなぁ)