いよいよ「空飛ぶ自動車」の実用化が近づいている


未来を描くときに欠かせないのが、空を自由に飛び回る「空飛ぶ自動車」でしょうか。21世紀中に空飛ぶ自動車の実用化が確実と言えそうな、めざましい成果を出した2台のマシンが登場しています。2台共にテスト飛行に成功しており、空飛ぶ自動車の実用化は目前にせまっているようです。

「空飛ぶ自動車」としての実用化が最も早いとみられているのが、スロバキアのAeroMobil社のマシン。路上を走行できる自動車ベースのAeroMobil機は、早い段階から有人でのテスト飛行に成功し、実用化が期待されていました。世間をあっと驚かせたのが、2014年に公開された以下のムービー。

AeroMobil 3.0 – official video – YouTube

プロトタイプ(バージョン3.0)のマシンは、すでに実用化できるのでは?と言うレベルの完成度で、「2017年に発売する」とぶち上げて世界中を驚かせました。そのAeroMobilが先日、バージョン4.0を公開しました。

これがAeroMobil 4.0。ほぼ市販モデルと変わらない完成間近の段階まで来ているとのこと。最高速は360km/hで、航続距離は750kmです。

翼を折りたたむと自動車モードに。最高速は160km/hで、一般道を普通の乗用車と同様に走行可能。定員は2名で、マクラーレンさながらのシザードア(というかバタフライドアか?)になるようです。

タイヤを車体に収納できるフロントサスペンションは電動だとのこと。リアに搭載したジェネレーターで発電して、フロントアクスル上のモーターを制御する、ハイブリッド構造になっています。2リットル4気筒のターボ付ボクサーエンジンの最高出力は224kW(300hp)。

2017年発売予定だったAeroMobilは、2020年発売予定と発売時期が延期されています。その理由は安全性の改良だそうで、万一の事故に備えて機体全体を救出できるパラシュートが搭載される予定です。価格は、Business Insiderによると120万ユーロ~150万ユーロ(約1億4000万円~約1億7500万円)だそうです。

最も市販化が早いと思われていたAeroMobilに、強力な対抗馬が現れました。それがドイツのLilium社が開発する「Lilium Jet」。

Lilium Jetは、垂直離着陸が可能な電動のVOLT機。主翼上と機体前方に計36個のジェットファンを備えており、ジェットの方向を変えることで、上昇・下降や前進飛行が可能です。

Lilium Jetが、フルサイズ(実物サイズ)でのテスト飛行に成功。そのムービーが公開されています。

The Lilium Jet – The world’s first all-electric VTOL jet – YouTube

電動飛行機のLilium Jetの最高速は300km/hで航続距離は300km。ムービーを見るに、こちらも非常に高い完成度のようです。Liliumは、2019年までに有人飛行を実現させる計画だとのこと。

Liliumは市販と言うよりは「空飛ぶタクシー」としてビジネスモデルを構築する予定なのに対して、AeroMobilはタクシーも検討中ではあるものの一般販売が目的のようです。いずれにせよ、実際に飛行に成功するムービーを見せられると、いよいよ空飛ぶ自動車の登場は近いと感じさせられます。レベル5の自動運転カーと空飛ぶ自動車の実用化はどちらが先か。非常に楽しみになってきました。

Source:AeroMobilLilium

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