「Ryzen 7 1700」+「MSI トマホーク」のCPUクロック&電圧セッティング

仕事が忙しすぎておろそかになっていたRyzenマシンのセッティング。ようやく時間ができたので、実験ついでにCPUのセッティングを詰めることにしました。すでにRyzen 7 1700(無印)の省電力性能は十分肌で感じていましたが、あらためて常時録画&エンコード用のセッティングを決めます。OC性能の高さでも話題の1700ですが、私の用途では1日中放送波のキャプチャとエンコードが行われるということで、OCは不要(むしろDCの方が重要)で、省電力性を重視、という方向性です。


現時点での構成はこんな感じ。

マシン構成
CPU:AMD Ryzen 7 1700
マザーボード:MSI B350 TOMAHAWK
メモリ:Corsair VENGEANCE DDR4-2666 8GB×2(CMK16GX4M2A2666C16R)
SSD:Crusial M550 256GB
HDD:Seagate 3TB(ST3000DM008)
グラフィックボード:Sapphire NITRO RADEON RX 460 4G GDDR5
電源:Enhance 800W(GOLD)
ケース:Silverstone RAVEN 2
その他:Earthsoft PT1

今後、HDDやキャプチャーカードを追加していく予定ですが、とりあえず個人的な最小構成(笑)です。これで、安定して録画&エンコードを行えるように、設定を詰めることにします。テストに使うソフトウェアはOCCT4.5.0(2017/03/20時点で最新)。なお、テスト前にMSI純正ソフトの「Live Update 6」でチップセットドライバーを「16.50.2601」にアップデートしました。これが劇的な効果を発揮するとはつゆ知らず……。

とりあえず、定格状態でCPUに負荷をかけてテストしてみます。Ryzen 7 1700の定格は、3.0GHz(ブースト時最大3.7GHz)。ただし、この最大3.7GHzというのは1コアのみ使用する状態なので、私の利用スタイルではまったく関係なし。8コアフル活用時は3.2GHzが最大周波数となります。

まずはフルオート設定の定格の実験。アイドル状態の消費電力はワットチェッカー読みで54Wとなりました。グラフィックボードを1枚積んでいてもSandy Bridge世代のIntelマシンよりもアイドル消費電力は低いですね。なお、アイドルの温度は44度程度。ということで、OCCTで負荷をかけてみます。長時間テストは設定が煮詰まってから行う方が効率的なので、いつも通り10分の簡易テストをしてみたところ、4.5.0では第2ブーストが10分後から始まることが分かりました。といっても、Ryzenマシンを組む前にメインマシンを組んだのは数年前で、最近はOCCTを回すこともなかったので、記憶があやふやで……。25分のテストで第2ブーストまでテストすることが分かったので、OCCTの簡易テストは30分で行います。とりあえずOCCTで30分をクリアするのが前提で、CPUクーラーの温度や消費電力の傾向は十分読めるのでこれでOKです。

BIOSフルオートの定格状態では、(OCCTで)3.2GHzでは139W。これが一つの目安になります。CPUのクロック数とコア電圧を下げて、消費電力が下がるスイートスポットを見つけるのが今回の目的というわけです。

トマホークに付いてきたMSI純正ソフトの「MSI Command Center」(MCC)を使ってOC(実際にはDC)の設定を変更します。BIOS(UEFI)で設定するのも可能ですが、トマホークではポスト画面が表示されるのに10秒以上かかるため設定を頻繁に変えるのに不向きなので、Windows上から設定を変更できるMCCなどの簡易ツールは非常に便利です。

とりあえず、切りの良い3.0GHz(倍率30倍)にダウンクロック設定してみました。なお、MCCはクセがあるソフトで「Apply」をクリックしても設定が反映されないことが多々あります(設定を変えつつ繰り返せば何度目かにはうまくいく模様)。そのためCPU-Zなどの別のソフトで周波数と電圧が反映されたのかを確かめながらセッティングをする必要があります。ちなみにMCCのCPU温度はCPU-Zに比べて約9度ほど高いというガバガバぶりなので、温度の数値はあまりアテにはしない方が良さそうです。

最初はコア電圧1.05Vで試します。OCCTは問題なしでクリア。消費電力は140W程度と、定格とほとんど変わらないどころかわずかに上がってしまう結果に……。

次に、3.0GHz固定のまま、コア電圧を1.025Vに設定。なお、CPU-Zでは「1.008V」表記になるので、MCCでの設定がきちんと反映されているのかこの時点で疑問が生じています。結果は、137Wとほぼ定格と同じ。これなら3.2GHzのフルオート定格の方がオイシイわけで、DCの意味がありません。

3.0GHzのまま、コア電圧を1.000Vに設定。CPU-Zでは「0.984V」読みになりました。消費電力は136Wで劇的な減少はなし。

次にコア電圧を0.975Vに設定(CPU-Zでは「0.960」読み)では133W。どんどん行きます。コア電圧を0.950Vに設定(CPU-Zでは「0.936」読み)では130W。コア電圧を0.925Vに設定(CPU-Zでは「0.912」読み)では125W。コア電圧を0.900Vに設定(CPU-Zでは「0.880」読み)では……ここでOCCT8分以降でシステムが落ちました。8分以降というのが運悪くトイレに行っていたため(笑)一体、どこまで下げられるんだ……と、ビビリながらの作業だったので、帰ってきてPCが落ちていたときは少し焦りました。かつてK10statでは、ほぼアイドルレベルで設定していた0.8V台には届きませんでした。

結果、OCCT30分テストをクリアした3GHz@0.925Vからマージンをとって、「3GHz@0.9375V」を採用することにしました。なお、最大消費電力の差はほとんどないので、安定性をとるなら定格で十分だとも思いましたが……。

次に、3GHz@0.9375VでTMPGEnc Video Mastering Works 5(TVMW5)をつかって、1920×1080のMPEG2-TSムービーをx264でエンコードして、実用レベルでの安定性をチェックすると、問題なくエンコード完了。TVMW5ではうまく8コアすべてで負荷をかけられないので、まあ大丈夫なのは予想が付いたのですが……。

チップセットドライバをアップデートする前は、コア電圧を1.000V未満にすると、たとえクロック数を2.7GHzにしても不安定なことがあったことを思えば、ドライバアップデートによって安定性(特に低電圧領域)が増したのでは?と実感できました。ということで、CPUクーラーを換えるまではしばらく3GHz@0.9375Vでの運用で様子を見ることにしました。

~続き~
Ryzen 7 1700の純正CPUクーラー「Wraith SPIRE」のテイストに合う光るFANを探す – TECH-SURF

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