【黒船】中国EVの雄BYDが日本市場に本格参入、発表会の内容をまとめてみました【来襲】

2022年7月21日、中国のBYD(比亜迪汽車)が日本市場にEV(乗用車)で本格参入することを発表しました。第1弾EVの発売時期はなんと2023年1月とのこと(早すぎ……)。日産アリア(B6 e-4ORCE)を予約している私にとっては寝耳に水の出来事で、思わず発表会に見入ってしまいました。BYDが日本市場に導入する3車種についてまとめてみました。

Hello, e-Life! |ビーワイディージャパン株式会社
https://byd.co.jp/e-life/

発表会の様子は以下のYouTubeで視聴できます(EVに関しては22分あたりから)

BYDブランド記者発表会 – YouTube

BYD Auto Japan

今回、BYD Japanの子会社として設立された法人「BYD Auto Japan株式会社」が、EVの販売とその他関連サービスの提供を行います。

BYD Auto Japanの代表取締役は東福寺厚樹氏。三菱自動車からフォルクスワーゲンジャパンに転じ、同社トップに上り詰めた自動車畑の人物ですね。

中国・深センでバッテリーメーカーとして産声を上げたBYDは、その後、EVの製造に乗り出し、今やEV市場ではテスラに次ぐ2位の巨大自動車メーカー。近い将来、テスラを超えるのではないかと予想されています。

ブレードバッテリー

BYDの大きな武器は「ブレードバッテリー」。安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用しています。ブレード形状のバッテリーは、水平方向にスタックして効率的に配置できるメリットがあります。なお、ブレードバッテリー自体を構造体として剛性を高める仕組みになっているそうです。

釘刺し試験では、ブレードバッテリー(左)は金属棒が貫通しても発火せず。表面温度も60℃にとどまり、何も反応が起こらないとアピールします。

ブレードバッテリー – YouTube

e-Platform 3.0

ブレードバッテリーの搭載を前提にEV専用として開発されるのが「e-Platform 3.0」。床下に薄くかつフラットに敷き詰めたブレードバッテリーのおかげで、デザインの自由度はかなり高そうです。低重心化による走行面でのメリットも大きいと思われます。

e-platform 3.0 – YouTube

中国の最新鋭の工場で生産し……

今後、続々と日本に導入されることになります。

左から、「SEAL」「ATTO 3」「DOLPHIN」の3車種の投入が発表されました。

ATTO 3

最初に日本市場に投入されるのはSUVタイプのATTO 3(アットスリー)。すでに2022年2月に中国市場に登場しているATTO 3は、日本では2023年1月の発売を予定しているとのこと。BYD Auto Japan設立から半年での上市という、中国メーカーのスピード感には驚かされます。

オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールにも導入されているグローバルモデルです。

インテリアのモチーフは「フィットネスジム」だとのこと。

気になる航続距離はWLTCで485km(※社内テスト中)とされており、実使用でも380kmぐらいは期待できそうですね。

カラーは5色あるようです。

【スペック】
■全長/全幅/全高 4,455mm 1,875mm 1,615mm
■ホイールベース 2,720mm
■座席数 5
■モーター出力 150kw
■電池容量 58.56kwh
■最大トルク 310N.m
■航続距離 (WLTC値自社調べ) 485km

ATTO 3 イメージ映像 – YouTube

DOLPHIN

2車種目がコンパクトカーのDOLPHIN(ドルフィン)。中国では2021年8月に発売されており、毎月1万台以上がコンスタントに売れているベストセラーだそうです。日本での発売は2023年半ばの予定。サイドのプレスラインは韓国ヒョンデ(旧ヒュンダイ)の「IONIQ 5」に似ていますね。

やや野暮ったいフロントデザインとは一転、インテリアはかなりおしゃれです。中国では30.7kWhモデルが10万2800元(約210万円)からなので、価格帯としては軽EVの日産サクラや三菱eKクロスEVとガチンコ勝負しそうです。

【スペック】
■全長/全幅/全高 4,290mm 1,770mm 1,550mm
■ホイールベース 2,700mm
■座席数 5
■モーター出力 70kw (STANDARD) 150kw (HIGH GRADE)
■電池容量 44.9kwh (STANDARD) 58.56kwh (HIGH GRADE)
■航続距離 (WLTC値自社調べ) 386km (STANDARD) 471km

DOLPHIN イメージ映像 – YouTube

SEAL

3車種目がセダンタイプのSEAL(シール)。中国でも2022年6月に発表されたばかりの、BYDのフラッグシップカーです。

クーペセダンという感じで、デザイン性はかなり高め。cd値は0.21と空力性能もかなり高いとのこと。率直に言ってカッコいい。テスラ・モデルSとがっぷり四つになりそう。

中央にはタブレット形状のディスプレイ。このディスプレイは縦・横に回転します。

【スペック】
■全長/全幅/全高 4,800mm 1,875mm 1,460mm
■ホイールベース 2,920mm
■座席数 5
■モーター出力 230kw (RWD) 160kw (フロント) + 230kw (リア) (AWD)
■電池容量 82.56kwh
■航続距離 (欧州WLTP値) 555km

SEAL イメージ映像 – YouTube

ディーラー網

SUV、コンパクト、セダンと一気に日本市場に投入するBYDは……

自動車のリアル体験すべてを提供すべく……

2025年までに全国100店舗を用意する計画だとのこと。BYDの日本市場への本気度がひしひしと伝わってきます。

オートローンはジャックス、その他、国内損保とも提携。そしてEV販売の肝となる充電網も自前で整え、エマージェンシーサービスまで用意するそうです。BYDの充実したディーラーサービスとは対照的に、ディーラーを整備せずにオンライン販売に頼るヒョンデは完全に劣後しており、おそらく日本市場ではBYDに対抗できないと思われます。

BYD Auto Japanは、2022年7月30日から8月28日まで横浜みなとみらいで開催されるREDBRICK BEACHをスポンサードし、3車種の実車を展示するとのこと。ATTO 3は公道試乗会もあるそうです。見たい!乗りたい!(夏休みに赤レンガ倉庫に行くか……)

ATTO 3の価格は400万円前半と予想されています。目下円安ですが、中長期を見据えて日本市場は戦略価格が設定されるのではないかと考えています。仮にATTO 3が400万円を切ってくるならば、日産をはじめトヨタやホンダなど、国内メーカーには脅威になりかねませんね。EV新時代の黒船(元寇?)になるのは確実です。

サクラ&eKクロスEVの登場で、2022年11月にも枯渇するといわれるCEV補助金が仮に補正予算で延長されるなら、58.56kWhのバッテリーを積むATTO 3は65万円(コンセントがあれば85万円満額)の補助金がもらえるため、実売価格300万円台前半からとなり、日産リーフよりもお買い得になりそう……。予約は2022年11月から始まるというウワサも聞こえるATTO 3が本当に2023年初めに納車されるなら……発売時期がまったく読めないアリアをキャンセルしてATTO 3にするかも(デザインなどは圧倒的にSEALが良いのですが!)

引き続き、BYDのEVをウォッチしていこうと思います(さっそくメルマガ登録しました)

Hello, e-Life! |ビーワイディージャパン株式会社
https://byd.co.jp/e-life/

~続き~
BYDのATTO3に試乗、中国製EVは買いなのか?考えてみた【レビュー】 – TECH-SURF

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください